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税務コラム

2012.03.13

税務コラム第39回:移行スケジュール、お早目に



 公益法人制度改正に伴う移行認定・認可申請の期限まで、2年を切りました。
 これからの短期間で、移行をスムーズに行うには、スケジュール設計がポイントとなります。特に、会計基準の変更に伴う処理は、事業年度が変わるタイミングに合わせて進める必要があります。また、移行日前後の評議員・代議員・役員の任期については、新法の規定により思わぬ調整が必要になることもあります。
 また、特例民法法人同士の合併を検討されている場合、平成24年度中にこの合併が終了していなければ移行の申請を行うことができないので注意が必要です。
 このように、移行は申請書を作成し提出すればすぐにできるというものではありません。
 内閣府資料によると、平成24年1月末日における広島県への移行認定・認可申請件数は157件、そのうち認定・認可が決まった件数は72件、また電子申請用のIDの取得件数は279件となっています。広島県には450を超える特例民法法人があるため、現在もかなり多くの関係者の方が準備に頭を悩ませておられるのではないでしょうか。
 弊社では移行のスケジュール設計からご相談を承りますので、お気軽にお問い合わせください。



お問い合わせはこちらまで
GO&DO 篠原税理士法人
公益法人事業部 今村 唯
Tel 082-504-0333 Fax 082-504-0334
E-mail soumu@godo.gr.jp
(アドレスは、soumuでお願いします。)

2012.02.02

税務コラム第38回:震災関連寄付金控除について



 平成23年は、大震災があり、日本中の多くの方が、『きもち』を『かたち』に、復興の願いを込め、様々なところに寄付をされたことと思います。そういった国民の『きもち』を、この平成23年度の確定申告より平成25年度の確定申告まで、特別枠の減税という『かたち』で表してくれることとなりました。
 今回は、その『かたち』(震災関連寄付金控除)についてです。

1. 震災関連寄付に係る寄付金控除の額は


(一般の特定寄付金+震災関連寄付金)−2千円 =寄付金控除額
                        (所得控除)

 但し、寄付金控除の額は、限度額が定められています。一般の特定寄付金の場合は、総所得額の40%が限度ですが、今回の震災関連寄付金を支出した場合は、特定寄付金と震災関連寄付金とを併せ、総所得額の80%が限度額となります。
 また、前回でもありましたように、「認定NPO法人」及び「公益社団法人」に対して支出した寄付金は、上記で計算した『寄付金控除額』を所得から引く方法(所得控除)と『寄附金控除額』の40%相当額を算出した税金から引く方法(税額控除)のどちらか一方を選択できることとなりました。(税額控除は、算出所得税の25%相当額が限度)
 よって、下記の震災関連寄付金のうちDとEに関しては、『特定震災指定寄付金』となり、所得控除か税額控除か有利な方を選択できます。

(特定震災指定寄付金−2千円)×40%=特定震災指定寄付金特別控除
                        (税額控除)


2. 震災関連寄付金とは


  1. 国又は大震災により著しい被害が発生した地方公共団体に対する寄付金
  2. 日本赤十字社の『東日本大震災義援金』口座へ直接寄付した義援金等
  3. 新聞・放送等の報道機関に対して直接寄付した義援金で最終的に国又は著しい被害が発生した地方公共団体に拠出されるもの
  4. 社会福祉法人中央共同募金会の『東日本大震災義援金』として直接寄付した義援金等
  5. 社会福祉法人中央共同募金会の『災害ボランティア・NPO活動サポート募金』として直接寄付した義援金等
  6. 認定NPO法人に対し、東日本大震災の被災者支援活動に特に必要な費用に充てるために行った寄付金(募集に際し、国税局長の確認を受けたものに限る)
  7. 公益社団法人・公益法人等・特例民法法人・認定NPO法人に対し、東日本大震災により、滅失又は損壊した建物等の現状回復に要する費用に充てるために行った寄付金(募集に際し、その公益社団法人等に係る主務官庁の確認を受けたものに限る) 但し、滅失又は損壊した建物等は、収益事業以外の事業の用に専ら供されていたものに限る。
  8. 全国商工会連合会に対し、東日本大震災により被害を受けた地域を地区とする商工会又は都道府県商工会連合会が、全国商工会連合会の策定した計画に基づき行う、その地区における商工業に関する施設の復旧及び経済の早期復興を図る事業に要する費用に充てるために行った寄付金
  9. 日本商工会議所に対し、東日本大震災により被害を受けた地域を地区とする商工会議所が日本商工会議所の策定した計画に基づき行う、その地区における商工業に関する施設の復旧及び経済の早期の復興を図る事業に要する費用に充てるために行った寄付金
  10. 公益財団法人ヤマト福祉財団に対し、東日本大震災により被害を受けた地域における農業もしくは水産業その他これらに関連する産業の基盤の整備又は、生活環境の整備により当該地域の復旧及び復興を図る事業に要する費用に充てるために行った寄付金
  11. 新聞社等が募集する大震災に関連する寄付金について、最終的に国や地方公共団体へ拠出することが明らかである寄付金
  12. 上記以外の義援金のうち、寄付した義援金等が、募金団体を通じて、最終的に国又は地方公共団体に拠出されることが明らかであるもの。


3. 寄付金控除を受ける為には

  1. 確定申告書に寄付金控除に関する事項を記載します。
  2. 義援金等を支出したことが確認できる書類を確定申告書に添付若しくは、確定申告書を提出する際に提示します。
     ※ 地方公共団体に対する寄付金は、『ふるさと納税』制度に該当しますので、確定申告書の住民税の事項欄にも忘れないよう記載しましょう。


4. 寄付金等を支出したことが確認できる書類とは

  1. 国や地方公共団体の採納証明書
  2. 災害対策本部や義援金配分委員会等が発行する受領書
  3. 日本赤十字社等が発行する受領書又は募金団体の預り証
    但し、日本赤十字社に対し、銀行振込で行った時は、振込金領収書のみで寄付金控除を受けることができるが、口座名が「日本赤十字社」であり、一般の特定寄付金と震災関連寄付金とを区別する為、義援金専用口座であるか確認する必要がある。専用口座は、下記のとおり。
      三井住友/銀山(普)8047670
      三菱東京UFJ/東京公務部(普)0028706
      みずほ/新橋中央(普)2188729
      ゆうちょ/○一九店(当)0000507(金融機関コード9900 店番019)
  4. 郵便振替で支払った場合の半券(受領書)や銀行振込で支払った場合の振込票の控え。但し、その振込口座が義援金の受付専用口座である場合に限る。その確認するものとして、募金要綱、募金趣意書、新聞報道、募金団体のHPの写しなど、義援金の専用口座であることが分かる資料も併せて必要となる。なお、日本赤十字社の「東北関東大震災義援金」口座・中央共同募金会の「各県の被災者の生活再建の為の義援金」及び「地震災害におけるボランティア・NPO活動支援の為の募金」口座への寄付金は、募金要綱等の写しは不要である。
  5. 全国商工会連合会及び日本商工会議所に対する寄付金で、東日本大震災義援金に関する指定寄付金についての確認書

 このように、昨年2千円以上寄付をし、その寄付金の領収書とか振込票とかがあった場合、確定申告をすれば、税金が安くなります。
国や地方公共団体の減税という『きもち』に対し、個々の減税という『かたち』にする為、ぜひ、確定申告をしましょう。
 また、平成24年以降に寄付を考えられている方、その時は、支出する寄付金が寄付金控除の対象となるかどうかの確認と受領書等確認書類の保管を忘れずにして下さい。



お問い合わせはこちらまで
GO&DO 篠原税理士法人
業務部 松本
Tel 082-504-0333 Fax 082-504-0334
E-mail soumu@godo.gr.jp
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2012.01.10

税務コラム第37回:平成23年分の確定申告受付スタート!



 昨年暮れより、国税庁のホームページにて平成23年分確定申告特集(準備編)がトップに掲載されています。
 平成23年分以降の申告分より、所得税の確定申告の提出期間(その年の翌年2月16日から3月15日まで)について、申告義務のある方の還付申告書の提出期間は、その年の翌年1月1日から3月15日までとされました。
 これを機会に年末年始の休暇中に作成された方も多いのではないでしょうか。
 今回は、主に年金や給与所得がある方の申告を中心に主な改正点や注意したい点をまとめました。

1. 公的年金等の収入金額400万円以下の場合は原則申告不要

 年金所得者の申告手続きの簡素化のため、その年中の公的年金等の収入金額が400万円以下であり、かつその年分の公的年金等にかかる雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合には、その年分の所得税について確定申告書の提出は不要とされました。

  • この場合であっても、医療費控除や、各種社会保険料や生命保険料控除等の申告をすることなどにより所得税の還付を受けるための申告書を提出することはできます。
  • 所得税の申告は不要であっても、お住まいの市区町村への住民税の申告が必要な場合があります。


2. 16歳未満の扶養親族(年少扶養親族)は扶養控除は適用されないが申告書の住民税に関する事項へ記載する

 平成23年分の所得税より16歳未満の扶養親族に対する扶養控除が廃止されました。これに伴い、給与所得者の方が毎年勤務先へ提出する給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の扶養親族の方のお名前の記載欄は、平成23年分より住民税に関する事項へ変更になりました。これは、扶養していることにより寡婦または寡夫控除に該当される場合や、障がい者の方がいる場合、また市町村民税や各法律による手当の交付条件の際の証明書として源泉徴収票の記載データが必要なためです。

  • 源泉徴収票へはお名前「○○(年少)」と記載されます。記入もれがありましたら、勤め先経由にて市町村への給与支払報告書の訂正を行います。
  • 平成23年分の16歳未満の扶養親族は平成8年1月2日以降に生まれた方が該当します。平成23年12月31日の現況で判断しますので、誕生日の前日に1歳年をとることになるからです。(民法第143条第2項)


3. 寄附金を控除したいときは寄附金控除または寄附金特別控除のいずれかを選択する

 寄附金に対する控除には所得から差し引かれる寄附金控除と税金の計算の際に控除できる寄附金特別控除があります。控除は申告される方の所得金額や寄附金の額等によりどちらが有利か異なります。いずれかの選択となり重複しての控除はできませんので、計算して自主選択します。
 日本赤十字社や中央共同募金会等の募金団体のほか認定NPO法人や一定の公益社団法人等に対して平成23年中に支払った額が控除対象となります。

  • 実際の支払が平成24年になった場合は平成24年分の所得税の控除対象となります。
  • 震災関連寄附金については、寄附金控除の控除対象限度額は、総所得金額等の80 %相当です。
  • 認定NPO法人(寄附金の募集に際し国税局長の確認を受けたものに限る)及び社会福祉法人中央共同募金会に対して支払った震災関連寄附金のうち被災者の支援活動に必要な資金に充てられるものについて、その寄附金の額が2,000円を超える場合には超える額の40%相当(所得税額の25%相当を限度額とする)です。
  • 住民税に関する事項の寄附金税額控除の記載もお忘れなく。


4. 勤め先を退職して失業保険の給付を受けた方は給付金については申告不要であるが、職業訓練受講給付金は雑所得として確定申告をする

 勤め先を退職して、平成23年12月31日現在再就職されていないなどで年末調整がなかった方は毎月の給与から天引きされていた所得税を確定申告で精算する必要があります。この際は、毎年年末調整で申告の際添付していた各種控除証明書のほかに社会保険料(国民健康保険料や任意継続の健康保険料の金額がわかる納付済み納付書等や国民年金の控除証明書)等の書類が必要になります。この際失業保険の給付金は所得税法上では非課税所得のため申告は不要です。
 一方厚生労働省では、平成21年7月末より平成23年9月末まで雇用保険を受給できない方(受給資格がない方または受給終了者)に対して、求職者支援訓練や公共職業訓練の受講期間中に職業訓練受講給付金を支給する緊急人材育成支援事業を実施しました。この給付金は雑所得に該当するため確定申告が必要です。

  • 平成23年10月よりスタートした求職者支援制度による職業訓練受講給付金も雑所得となります。
  • 訓練・生活支援資金融資の免除益は一時所得となります。

 このほかにも、配当所得や生命保険の一時金等の一時所得、住宅取得控除等についても改正がありました。詳しくは国税庁のホームページ(http://www.nta.go.jp)をご覧ください。

 当税理士法人ではさまざまな納税者の方の所得税の申告の相談、申告を行っています。お気軽にお問い合わせください。

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業務部 花屋
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2011.12.07

税務コラム第36回:M&Aのメリット・デメリット



 近年厳しさを増す国内市場において、閉塞感を打破し、新たな成長戦略としてM&Aを積極的に検討する企業が増えています。経営戦略として有効なM&Aのメリット・デメリットはどういったことか、まとめると以下のようになります。

<メリット>中堅中小企業の場合

 会社譲渡の場合(特に「株式譲渡」)
  • 後継者不在といった事業承継問題の解決
  • 企業の存続と発展(従業員の雇用確保、商圏・技術・ノウハウの維持など)
  • 創業者利潤の確保(株式譲渡による最小限の税負担、退職金、個人保証が外れるなど)

 会社譲受(買収)の場合
  • 時間とリスクの軽減(必要な顧客、販路、人材、ノウハウなど、ゼロからの事業立上げと比較し、時間とリスクがはるかに少なくて済む)
  • シナジー効果(自社の壁を越える、販路・技術などのノウハウ共有、新規事業の創出)

<デメリット>

  • 相手を探すのが困難
  • 手続きが複雑
  • 企業文化の融合が難しい

 M&Aはデメリットにありますように、相手を探すのが困難ですし、最終契約までにかなりの時間と労力を要します。早い時期から検討し、取り掛かっていく必要があります。少しでもご検討されている経営者の方がございましたらご連絡いただきたいと思います。

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2011.12.07

税務コラム第35回:意外に時間がかかる?!公益法人移行手続き



 新制度が平成20年12月に施行されて早3年近くたちますが、特例民法法人の公益認定又は一般認可の移行件数が全国的にもあまり進んでいないようです。

 平成25年の11月末が期限ですが、現在公益法人移行のお手伝いをしている現場で感じることは、意外に公益法人の移行手続きは時間がかかる作業だということです。臨時総会を開かず、毎年開催される定時総会で新法人の定款変更案承認を行う場合、移行に関する必要な定款の変更案の作成や正味財産増減計算書ベースの決算書作成までさまざまなことを準備する必要があります。

 25年4月設立法人のスケジュールを掲載しておりますので、移行準備をご検討されている法人様にはぜひ参考にしていただければと思います。

 現在、広島県では申請書を提出して4ヶ月後に公益認定又は一般認可がおりるようですが、来年に申請書を提出する場合には4ヶ月以上の審査期間となる可能性がありますので、余裕をみて移行スケジュールを立てることが必要です。さまざまな支援をしておりますのでご相談ください。



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税理士 石森 仁美
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2011.10.07

税務コラム第34回:雇用促進税制



 平成23年度税制改正で雇用を増やす企業を減税するなど税制上の優遇制度(雇用促進税制)が創設・拡充されました。
 青色申告者(法人及び個人)が新たに人を雇用した場合、一定の要件のもと一人当り20万円の税額控除が受けられます。

1. 税制優遇制度の概要

 平成23年4月1日から平成26年3月31日までの期間内に始まるいずれかの事業年度(個人事業主の場合平成24年1月1日から平成26年12月31日までの各暦年)において、雇用者増加数5人以上(中小企業者等については2人以上)かつ雇用増加割合10%以上等の用件を満たす企業は、雇用増加数1人当り20万円の税額控除(当期の法人税額の10%:中小企業者等は20%が限度)が受けられます。

2. 税制優遇制度の対象となる事業主の要件

 @ 青色申告書を提出する事業主であること
 A 前期及び当期に事業主都合による離職者がいないこと
 B 当期末の雇用者数−前期末の雇用者数≧5人(中小企業者等の場合2人以上)
 C Bの増加数/前期末の雇用者数≧10%
 D 当期の給与等支給額≧前期の給与等の支給額
   +(前期の給与等の支給額×Cの増加割合×30%)
 E 風俗営業等を営む事業主ではないこと
 F 適用を受けようとする事業年度が下記の事業年度ではないこと
  ・ 設立の日を含む事業年度
  ・ 解散の日を含む事業年度
  ・ 清算中の各事業年度

3. 事務手続

 @ 事業年度開始後2ヶ月以内に目標の雇用増加数等を記載した雇用促進計画を作成し、本社・本店を管轄するハローワークへ提出
 A 事業年度終了後2ヶ月以内に達成状況を記載した書類をハローワークに提出し確認書類の交付を受ける
 B 確認を受けた雇用促進計画の写しを確定申告書に添付して申告

4. 留意事項

     
  • 平成23年4月1日から平成23年8月31日までに開始した事業年度については特例措置として平成23年10月31日までに「雇用促進計画」を提出すればいいことになっています
    (9月1日以降に事業年度を開始する事業主の場合は、事業年度開始後2ヶ月以内に雇用促進計画の提出が必要です)
  •  
  • 雇用者には役員の特殊関係者(親族等)及び使用人兼務役員は含みません
  •  
  • 組織再編(合併等)に伴う雇用者の移動は雇用増に含みません
  •  
  • ハローワークへの達成状況の確認には2週間〜1ヶ月程度かかりますので、確定申告期限に間に合うよう早目の提出が必要です


 節税対策にもなりますので、是非ご活用下さい。
 ご不明な点や気になることがございましたら、お気軽にご相談下さい。

お問い合わせはこちらまで
GO&DO 篠原税理士法人
赤木
Tel 082-504-0333 Fax 082-504-0334
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2011.09.01

税務コラム第33回:適格合併



 合併、会社分割、株式交換・移転などの企業組織再編成においては、資産の譲渡については時価で課税することが原則です。しかしながら、移転される資産に対する支配の継続性が認められる等の一定条件を満たす場合には、税務上「適格」企業組織再編成として、移転資産を帳簿価額で引き継ぎ、その譲渡損益の計上を繰り延べることとなります。

<適格合併となる要件>

1.移転資産の対価として株式以外の金銭等の資産が交付されていないこと。


2.企業グループ内での組織再編成に該当すること。


 企業グループ内の要件とは、100%親子会社関係にある法人、または、@主要資産・負債引継要件A従業員引継要件B事業継続要件を満たした持分比率50%超100%未満の企業グループです。

@ 主要資産・負債引継ぎ要件
移転される事業の主要な資産及び負債が、資産が移転される先の法人に引継がれていること。
A 従業員引継ぎ要件
移転される事業に係わる従業員の、おおむね80%以上が移転先法人に引継がれることが見込まれること。あくまでも引き続き業務に従事することが見込まれることが要求されているので、転籍である必要はなく、出向の形態をとっても構いません。
B 事業継続要件
移転される事業が、移転先法人において引き続き営まれることが見込まれていること。あくまでも、継続の見込みであり、企業組織再編後の経済環境の変化などによって事業の撤退を余儀なくされる場合を否定するものではありません。

3.企業グループ内に該当しない場合は、共同事業を行うための組織再編成であり、かつ、資産の移転の対価として取得した株式を継続保有する見込みがあること。


 共同事業の判定要件は、次の@かつA、または@かつBのいずれかを満たすことです。

  @ 事業関連性要件
  A 規模要件
  B 経営参画要件

 上記の適格要件を満たせば、「適格」企業組織再編成となります。
 企業組織再編成において、含み損の取り扱いなど考慮事項は多数ありますが、その中でも取り扱いが気になる繰越青色欠損金の引継ぎについて、触れてみます。


<繰越青色欠損金の引継ぎ等の制限>

 原則的に、適格合併では、繰越青色欠損金の引継ぎが認められています。
 しかし、企業グループ内の合併等の場合には、「みなし共同事業要件」を満たさないとグループ関係以前のものについては認められません。

○ みなし共同事業要件
共同事業を行うための組織再編成に該当するか否かの判定項目(事業関連性・事業比率・経営参画)とともに、資本関係後その組織再編成までに、双方の事業が継続して営まれており、かつ、それぞれの事業規模、すなわち売上金額、従業員数、資本金額またはこれに準ずるものが、おおむね2倍を超えるものでないことを満たすことです。

 一方、共同事業を行うための組織再編成の場合には、すべての繰越青色欠損金を引継ぐことができます。

 会社法の施行、それを踏まえた税制改正において、合併、会社分割、株式交換・移転などの企業組織再編成は柔軟化してきましたが、まだまだ繁雑で理解の難しい分野のようです。

ご意見・ご感想はこちらまで
GO&DO 篠原税理士法人
大谷
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2011.08.11

税務コラム第32回:グループ法人税制



 グループ法人税制とは、グループ企業の税制において課税の中立性や公平性等を確保するために導入されたもので、完全支配関係にある100%グループ内の法人間の取引等に対して適用されます。

○完全支配関係とは、以下の関係をいいます。

  1. 当事者間の完全支配関係
    「一の者」が法人の発行済株式等の全部を直接若しくは間接に保有する関係として政令で定める関係
  2. 法人相互の完全支配関係
    「一の者」との間に上記 1. の関係(当事者間の完全支配関係)がある法人間の相互関係

 ※「一の者」について
 「一の者」とは一の法人又は個人をいい、個人である場合はその個人及びこれと特殊の関係のある個人(同族関係者)をいいます。
  同族関係者・・・株主の親族等(六親等内の血族、配偶者、三親等内の姻族)

○100%グループ内の法人間の資産の譲渡取引等

 内国法人が完全支配関係がある他の内国法人に一定の資産(以下「譲渡損益調整資産」という)を譲渡した場合には、その譲渡損益調整資産に係る譲渡損益についてはグループ外へ移転等をするまで繰延べることになりました。
 譲渡損益調整資産(譲渡直前の帳簿価額が1,000万円に満たない資産は除く)とは次の資産が対象となります。

  1. 固定資産
  2. 土地(土地の上に存する権利を含み、固定資産に該当するものを除く)
      → 棚卸資産である土地等が該当(原則として棚卸資産は該当しない)
  3. 有価証券(売買目的有価証券は除く)
  4. 金銭債権
  5. 繰延資産

 繰延べた譲渡損益については、下記の事由があった場合に益金又は損金の額に算入し実現させます。

  1. 譲受法人が譲渡、償却、評価替え、貸倒れ、除却などを行った場合
  2. 完全支配関係を有しないこととなった場合

○寄付金

 完全支配関係がある内国法人間の寄付金については、寄付金を支出した法人において全額損金不算入、寄付金を受領した法人においては全額益金不算入となります。

○受取配当

 完全支配関係がある法人からの受取配当について益金不算入制度を適用する場合には、負債利子の控除をせずに全額が益金不算入となります。

○発行法人への株式の譲渡

 親会社が持つ子会社株式の一部を子会社に買い取らせる場合に、その株式の譲渡損益を計上しない制度です。

○中小企業向け特例措置の適用関係

 平成22年4月1日以後に開始する事業年度から資本の金額又は出資金の金額が5億円以上の法人又は相互会社等との間にこれらの法人による完全支配関係がある法人については、資本の金額又は出資の金額が1億円以下の法人に係る特例措置が適用されないこととされていますので、注意が必要です。

○連結納税制度との比較

 連結納税制度とは、親会社と同一視しうるような一定の子会社群を含め、一つの課税単位とみて課税する制度ですが、グループ法人税制はグループ内のそれぞれの法人についてはあくまで単体課税であり、グループ内の取引等に着目して課税する制度です。
 また連結納税制度は任意により選択できる制度なのに対して、グループ法人税制は、その適用要件を満たす取引等があった場合は、強制適用されますので慎重な対応が求められます。

ご不明な点や気になることがございましたら、お気軽にご相談下さい。

ご意見・ご感想はこちらまで
GO&DO 篠原税理士法人
奥 順夫
Tel 082-504-0333 Fax 082-504-0334
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2011.07.07

税務コラム第31回:連結納税制度



 連結納税を採用する企業が年々増えている模様です。連結納税制度とはどのようなものでしょうか?

1. 連結納税制度とは

 連結納税制度とは親会社と同一視しうるような一定の子会社群を含め、一つの課税単位とみて課税する制度です。

メリットとして、
  • 連結グループ全体で損益通算できる
  • 税務上の繰越欠損金を早期に解消できる
  • 連結グループ内の試験研究費を連結グループ全体の税額控除に使える
  • グループ全体の税金・キャッシュアウトの管理が行える
といったことが挙げられます。

また、デメリットとして
  • 適用開始・加入時に子法人の資産の時価評価が必要な場合がある
  • 各法人の控除枠・限度枠で失われるものがある(交際費・寄付金の損金算入限度額等)
  • 制度が複雑で、事務負担が膨大である
等が挙げられます。

2. 連結納税義務者

 連結納税制度の下では、連結親法人が納税義務者となり、その納税地を所轄する税務署長に「連結確定申告書」を提出して、連結納税グループの法人税を納付します。
 連結確定申告書の法定申告期限は連結事業年度終了の日の翌日から2ヶ月以内です。
 ただし、申請により2ヶ月延長することが可能です。
 各連結事業年度の連結所得に対する法人税は連結親法人が納付し、連結グループ内の法人間の精算処理は連結個別帰属額に基づいて行われることとなります。

3. 連結親法人・子法人

 では、連結グループになる法人はどのようなものでしょうか?
 連結納税制度のグループの範囲は、「連結親法人」である国内の親会社と「連結子法人」である国内の全ての100%子会社です。一部の子会社を対象とすることはできません。

  • 連結親法人となれるもの=内国法人である普通法人と協同組合等
  • 連結子法人=連結親法人によって完全支配関係のある内国法人である普通法人

4. 連結納税の計算方法

 連結納税の計算方法は、各法人で計算する調整と、連結グループ全体で計算する調整とに分かれます。

具体的には、
  1. 貸倒引当金・減価償却費の限度額等
    →各法人で計算
  2. 交際費・寄付金の損金不算入額、受取配当などの益金不参入額等
    →グループ全体で計算
  3. そして、
  4. 連結法人間の取引に係る損益、連結法人間の株式の譲渡損益を繰延べ、
  5. 各法人への連結欠損金当期控除額を算定
  6. した後、
  7. 連結所得金額、連結法人税額の算定
という流れとなります。

※注意事項
  • 連結納税制度は、法人税のみが対象であり、地方税は各法人が単体申告によって納付の義務を負います。
  • 連結納税制度は一旦採用すると継続適用となり、原則として途中でやめることはできません。
  • 連結納税開始の申請は、最初の連結事業年度としようとする親法人の事業年度開始の日の3月前の日が申請期限となります。

 連結納税を採用する前には、慎重な判断が必要であり、そのメリットとデメリットを十分に検討することが必要です。

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GO&DO 篠原税理士法人
芳野 広平
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2011.05.30

税務コラム第30回:印紙税について



 通常商取引においては、契約書等の文書を作成することが多々あるかと思います。そのうち印紙税がかかる課税文書とは、一般的に言われるものより範囲が広く、念書、請書その他契約の当事者の一方のみが作成する文書又は契約の当事者の全部若しくは一部の署名を欠く文書で、当事者間の了解又は商慣習に基づき契約の成立等を証することとされているものも含まれます。
 このように課税文書に該当するか否かは、その文書の作成意図や使い方を問わず、形式だけで判断されます。そのため、税務調査で思いもかけない文書が課税文書とされてしまうことも多いようです。

 原則として、印紙税を納付する場合には、その課税文書に印紙を貼り付ける方法により行いますが、これを怠った場合は過怠税を徴収されることとなっています。ちなみに過怠税は、その全額が法人税の損金や所得税の必要経費には算入されませんのでご注意下さい。
 
 上記のように原則納付で、印紙税の課税対象となる文書に印紙を貼り付けた場合には、その文書と印紙の彩紋とにかけて判明に印紙を消さなければならないことになっています(印紙税法第8条第2項)。
 そして、印紙を消す方法は、文書の作成者又は代理人、使用人その他の従業者の印章又は署名によることになっています(印紙税法施行令第5条)。

 以上のように、消印する人は文書の作成者に限られておらず、また、消印は印章でなくても署名でもよいとされているところから、文書の消印は、その文書に押した印でなくても、作成者、代理人、使用人、従業者の印章又は署名であれば、どのようのなものでも差し支えありません。

(消印の目的)
 印紙の再使用を防止するため
(消印の方法)
@印章の場合
 通常印判といわれているもののほか、氏名、名称などを表示した日付印、役職名、名称などを表示したゴム印のようなものでも差し支えありません(印紙税法基本通達第65条)。
A署名の場合
 自筆による(表示は氏名、通称、商号のようなものでも構いません)。
(消印の注意点)
 単に「印」と表示したり、斜線を引くことは印章や署名に当たらないので、消印したことにはなりません。
 また、印紙は判明に消さなければならないので、一見して誰が消印したかが明らかとなる程度に印章を押し又は署名することが必要であり、かつ、通常の方法では消印を取り去ることができないことが必要です。
 ⇒鉛筆で署名したもののように簡単に消し去ることができるものは、消印したことにはなりません。
(共同作成の場合の印紙の消印方法)
 複数の人が共同して作成した文書に貼り付けた印紙は、その作成者のうち誰か1人の者が消せばよいことになっています。例えば、甲と乙とが共同して作成した契約書については、甲と乙の双方が消印しても、甲と乙のどちらか1人が消印しても差し支えありません(印紙税法基本通達第64条)。

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加治 俊彦
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2011.03.17

税務コラム第29回:東日本大震災の災害に関する寄付金控除



 この度の東日本大震災は、人間の予想をはるかに超えた未曾有の大災害であり、被災された各地の状況が報道されるたびに、私たちに何ができるのか、何をしなければならないかと思いをめぐらされた方々も多いことでしょう。
 既に、各地において物資を送る活動、義援金を集める運動が広がっていますが、この義援金等の税制上の取扱いについてご説明します。

◇税制上の取扱い
 個人や法人が、様々な募金団体に寄付をした場合、その義援金等が最終的に国や地方公共団体等に寄付されたものであることを税務署で確認できるものであれば、「国等に対する寄付金」として、次のような税制上の特典を受けることができます。

《個人が寄付する場合》
所得金額の40%または寄付金の額のいずれか少ない方の金額―2000円=寄付金控除額

≪法人が寄付する場合≫
全額が損金

◇税務署の確認とは
 その義援金等が、最終的に国や地方公共団体等に渡されるものであることが新聞等の報道、募金要綱、募金趣意書等で明らかにされており、そのことが税務署で確認されることをいいます。
そのため、どこにいくら寄付をしたかを証明できるように、領収書等を保管しておいてください。 


平成23年3月15日付けで、国税庁より募金団体を通じた義援金等に係る税務上の確認手続きについて指針が発表されています。
(国税庁ホームページ)
http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/gien/index.htm

法人の寄附金の取扱いについては下記を参考にして下さい。
(国税庁ホームページ)
http://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5262_qa.htm
No.5262 交際費等と寄附金との区分
[平成22年4月1日現在法令等]

個人の寄附金の取扱いについては下記を参考にして下さい。
(国税庁ホームページ)
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1150.htm
No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)
[平成22年4月1日現在法令等]

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添嶋 
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2011.02.01

税務コラム第28回:「中小企業金融円滑化法」の期限が1年間延長


「中小企業金融円滑化法」の期限が1年間延長されました。
   条件変更の申請には経営改善計画書の策定が求められています。

 平成20年秋以降、いわゆるリーマンショックといわれる世界的な金融危機により、中小企業を取り巻く経済環境は大きな影響を受けています。金融庁ではこれを受け、平成21年12月に「中小企業金融円滑化法」を定め、中小企業に対する金融の円滑化を図るための様々な取組みを進めてきました。
同法は平成23年3月までの時限措置として施行されましたが、この度期限が1年間延長されることが決定しました。

 「中小企業金融円滑化法」では、金融機関に対し「中小企業や住宅ローンの借り手から申し込みがあった場合には、貸付条件の変更等を行う」ことが努力義務として課せられており、同法を活用することによって得られるメリットには以下のようなものがあります。

1.元本返済の猶予又は返済期間の延長等、借入条件が変更される。
2.条件変更を行っても不良債権とみなされにくくなり、新規借入の可能性が高まる。
3.「条件変更対応保証制度」により、信用保証協会による返済負担軽減支援を受けられるようになる。

 ただし同法の基本的な目的は、中小企業に対し返済猶予を与え、一時的に難局をしのげるようにすることではなく、与えられた返済猶予期間の間に経営改善を進めることにあります。
そのため、返済猶予等の申請を行う場合には"実行性"のある「経営改善計画書」の策定が求められています。

 「経営改善計画書」の策定に当たっては、自社をとりまく経営環境を予測した上で、自社の現状を正しく認識し、経営者の基本方針に基づいて「事業内容」「財務内容」「収支内容」の3つの観点から改善のための重要ポイントをまとめていく必要があります。

 ご興味、ご関心のをお持ちの方は、当事務所までお気軽にお問い合わせ下さい。

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添嶋 
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2011.01.17

税務コラム第27回:青色申告の特典


 新しい年を迎え、そろそろ確定申告の時期が近づいてきました。

事業所得または不動産所得のある方の確定申告には青色申告、白色申告とがあり、青色申告の申請をした場合には、いろいろな特典を受けることができます。
特典としては、主に以下のものがあります。

●青色申告特別控除
10万円または65万円を所得から控除することができます。

●青色事業専従者給与
事業主と一緒に生活している配偶者や親族への給与を、一定の要件のもと、必要経費とすることができます。

●貸倒引当金
売掛金などの貸倒れによる損失の見込み額を、必要経費とすることができます。

●純損失の繰越しと繰戻し
事業所得などが赤字だった場合に、その損失額を翌年以後3年間繰り越し、所得金額から控除することができます。また、前年が黒字だった場合には、今年の損失額を前年に繰戻し、前年分の所得税の還付を受けることもできます。

●設備投資に対する税額控除
機械やソフトウェアなど、一定の設備を購入した場合に、購入価格の7%を税額から控除することができます。(所得金額の20%が上限となります)

青色申告の申請をしていない場合は白色申告となり、上記特典を受けることができません。

青色申告の場合、所得金額を正しく計算するため、収入や経費の状況を記帳し、また、取引に伴って作成した、あるいは受け取った書類を保存する必要があります。

特に、65万円の青色申告特別控除を適用するためには、複式簿記による記帳を行い、貸借対照表及び損益計算書を作成する必要があります。

複式簿記と聞いて敷居の高さを感じる方もいらっしゃると思いますが、当事務所ではお客様の事業内容に沿った記帳指導を行っております。
まずはお気軽にご相談ください。

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福岡 
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2010.12.16

税務コラム第26回:大規模法人


 大規模法人とは、資本金の額若しくは出資金の額が1億円を超える法人、又は資本若しくは出資を有しない法人のうち、常時使用する従業員の数が1,000人超の法人(中小企業投資育成株式会社は除かれます)をいいます(措令27の4I一)。

 大規模法人の場合、資本金が1億円以下の中小企業者等に対する税制上の優遇措置が受けられなくなるというデメリットがあります。主なものは以下のとおりです。

1.軽減税率の適用が受けられない
 資本金が1億円以下の法人については、年800万円以下の所得については税率が30%から22%(平成21年4月1日から平成23年3月31日までの間に終了する事業年度については18%)に軽減されますが、資本金1億円超の法人は一律30%となります。

2.交際費の損金不算入
 資本金が1億円以下の法人については、支出した交際費等のうち600万円までの部分は90%損金算入が可能なのに対し、資本金1億円超の法人は全額損金不算入となります。

3.貸倒引当金の特例の適用なし
 資本金が1億円以下の法人については、貸倒実績率または法定繰入率により計算した繰入限度額の有利選択が可能ですが、資本金1億円超の法人は貸倒実績率のみの適用となります。

4.少額減価償却資産の損金算入の特例の適用不可
 資本金が1億円以下の法人が取得価額30万円未満の減価償却資産を取得した場合、年間300万円を限度として取得した事業年度において取得価額全額の損金算入が可能なのに対し、資本金1億円超の法人は10万円以上は原則資産計上となります。

5.中小企業投資促進税制(機械等の税額控除、特別償却)等の適用なし

6.事業税の外形標準課税の対象

 資本金が1億円を超えている法人は、減資を行い資本金を減らすことで、これらのデメリットを回避することができ節税につながります。

 ただし、平成22年4月1日以後に開始する事業年度から資本の金額又は出資金の金額が5億円以上の法人又は相互会社等との間にこれらの法人による完全支配関係がある法人については、資本の金額又は出資の金額が1億円以下の法人に係る特例措置が適用されないこととされていますので、注意が必要です。

 減資をするには株主総会の特別決議や債権者への公告など債権者保護手続きが必要となります。株主はもちろん金融機関や取引先などにも大きな影響を及ぼしますので十分な配慮が必要となりますが、資本金が1億円を越える大規模法人(特に赤字の会社)については、節税メリットがありますので、是非この機会に検討されてみてはいかがでしょうか。
 ご不明な点や気になることがございましたら、お気軽にご相談下さい。

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奥 順夫
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2010.10.29

税務コラム第25回:原価計算



 原価計算とは、与えられた目的のために、原価を分類測定し、集計、分析し報告する計算技術のことです。すなわち、計算目的に合わせて、製品の製造のためにいくらの原価が費やされたかという製品の原価を計算するための手続きです。
その計算目的には大きく分けて財務会計目的と管理会計目的の二つがあります。

1.財務会計目的
・・企業が毎決算期に外部に報告する財務諸表の作成に必要な原価数値を計算提供するという目的
2.管理会計目的
・・原価低減のような原価管理や経営者の意思決定に必要な原価数値を計算提供する目的
目的が異なれば使用する原価計算の手法も異なり、集計する対象も期間も集計方法も違ってきます。

原価計算によって求められる製品の原価は、費目別計算、部門別計算、製品別計算の3段階を経て計算されます。
@費目別計算
・・一定期間における原価要素を材料費、労務費、経費等の費目別に分類測定する計算
A部門別計算
・・費目別計算において把握された原価要素を発生場所別に分類集計する計算
B製品別計算
・・製品の一定単位ごとに原価要素を集計し、製品1単位当りの製造原価を計算する方法

これらの計算方法を用い原価を正確に把握し、その状態を維持していくためには、しっかりとした原価計算の仕組みを持つことが重要となります。

中小企業の多くは、多品種少量生産をせざるを得ない状況と思いますが、その中で利益の最大化を計るためには製品別原価を把握した上で原価管理を的確に行う必要があります。
その第一歩は製品別原価計算の仕組み作りを行うことです。
実際に仕組み作りを行うのは導入と維持に手間がかかりそうですが、最初から高精度な仕組みを作らず、徐々に精度を上げていくようにするといいと思います。

当事務所ではお客様にとって最良の原価計算・管理会計システムの導入をご支援することが出来ます。
ご不明な点や気になることがございましたら、お気軽にご相談ください。

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赤木
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2010.09.30

税務コラム第24回:経営分析でみる企業の安全性



経営分析では収益性、効率性、安全性、採算性、生産性、成長性といった角度から客観的に企業の状態を把握することができ、今後の経営についての判断材料とすることができます。
会社経営をするうえで最も大切なことは「儲かっているか」ということですが、その会社が儲かっているからといって倒産の可能性がないわけではありません。
そこで、今回は会社が倒産しないかどうかを見極めるために企業の「安全性」に関する分析の主な指標について触れてみたいと思います。

流動比率
流動比率とは、企業の短期的な支払能力をみる指標です。流動資産(1年以内に現金化できる金銭や債権等)と、流動負債(買掛金など1年以内に支払うべき債務)とのバランスをみます。この比率は、流動資産/流動負債×100【%】で求めることができます。120%が目標値となりますが、100%を下回っている場合は注意が必要です。

流動比率を計算する際に貸借対照表の中で注意すべき点としては、
売掛金の中に長期滞留債権は含まれてないか?
受取手形の中に不渡になっているものはないか?
役員個人への貸付金で回収できていないものはないか?
棚卸資産の中に不良在庫となっているものはないか?
1年以上に亘って支払われる設備投資等への支払が含まれてないか?

上記のように流動資産・負債に含まれているものの内容によって数値は変動しますので内容の精査が必要です。
また、流動比率をさらに細かく見ていくには、流動資産の中でも換金性が高いもの(現預金、売掛金、手形、有価証券)と、流動負債との比率をみる当座比率があります。こちらは60〜80%はほしいところです。
その他売掛金・買掛金の回収・支払サイトもあわせてみることで当面の資金繰りに問題がないかがわかります。

自己資本比率
自己資本比率とは、長期の安全性をみる指標です。企業が調達した資金のうち返済の必要がない自己資本が占める割合がどの程度あるかを表します。 自己資本/総資本×100【%】
で求めることができます。自己資本比率の数値が高いほど、会社の運営が返済する必要のない資金で賄われているので安全であり、総資本のうち、自己資本が1/3以上を占めることが目標です。

長期の安全性をみる指標としてはその他に、土地・建物などの固定資産がどの程度自己資本や固定負債で賄われているかを示す固定長期適合率などがあります。

自社の数値を前期・前々期や、同業他社と比較してみることで自社の傾向を知ることができ、問題点を見つけることができます。経営分析の数値を把握して問題点の改善のために活用することができますので、一度計算をしてみてはいかがでしょうか?

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GO&DO 篠原税理士法人
西岡 由希子
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2010.09.02

税務コラム第23回:国際会計基準



最近、「IFRS」という言葉を耳にすることがあると思います。
IFRSとはどのようなものなのでしょうか?今回はその概略をご紹介したいと思います。

IFRSとはInternational(国際的な)Financial(財務の)Reporting(報告)Standards(基準)の略で、IASBという機関が作成している会計基準です。
「国際会計基準」「国際財務報告基準」などと訳されます。
現在、EUなど110カ国以上の国でこの基準が採用されています。

では日本はというと、2010年3月期から、上場企業に任意適用が認められ、5月には日本で初のIFRSによる決算開示をした企業が現れました。
2012年までに、全ての上場企業にIFRSの適用を義務つけるかどうかが決定され、義務化が決定となった場合、2015年あるいは2016年から強制適用となると言われています。

ではこのIFRSは、これまでの日本の会計基準とどう違うのでしょうか?

大きな違いとして3つ挙げたいと思います。

・包括利益
IFRSの下では、『損益計算書』ではなく、『包括利益計算書』が作成されます。

『包括利益』とは、
当期純利益に、資産・負債の増減でいまだ当期の損益として認識されない、『その他包括利益』を加減算したものです。

『その他包括利益』としては具体的に

・固定資産を再評価した場合の損益
・確定給付退職給付制度における計算上の差異

などがあります。包括利益計算書の下では、経常利益という概念がなくなります。

・公正価値会計
包括利益の考え方にも見られるように、IFRSでは、資産・負債の増減を重視する「資産・負債アプローチ」という考えが採られており、資産・負債をより時価に近い評価で表すため、公正価値による評価が行われます。
具体的には、
・棚卸資産の低下法による評価
・有形固定資産の再評価
・「のれん」を均等償却せず、毎期再評価

などが挙げられます。

・原則主義
IFRSは、『原則主義』に基づいた基準であるといわれます。
原則主義では、
・会計基準の概念や原理原則だけを示すことが多く、具体的な数値基準がない
・例外処理や簡便法を極力認めない
と言われており、日本の会計基準は詳細に基準がある『規則主義』であると言われています。
原則主義のIFRSが採用されると、実務上や会計上で判断が求められる場合が増えるでしょう。

 その他にも、売上計上のタイミングの違いなど、IFRSには日本基準との様々な違いがあります。興味を持たれた方はお問い合わせください。

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GO&DO 篠原税理士法人
芳野 広平
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2010.08.04

税務コラム第22回:銀行とのつき合い方



 経営者は、銀行とトラブルを起こさないよう、良好な関係を築いていくことが大きな役割の一つです。
 銀行との融資の折衝をする上で気をつけた方がよい点は次のとおりです。

・まずは財務への理解を
 面倒くさがって経理を顧問税理士等に任せきりになっていると、銀行と融資の話をした際に、会社の現状を理解できていない(経営に対する意識が低い)といった印象を持たれます。

・取引銀行の選択
 会社の規模や業務範囲を基に銀行を選ぶ必要がありますが、一般的に小規模の企業では、相談しやすく、また親身に接してくれることなどから規模が小さく地元密着型の銀行がいいと言われています。また政府系金融機関は金利が安く、いざという時に頼りになることがあります。

・資金繰り表の作成
 期待予測を立てるのではなく、業界を取巻く動向から取引先との関係、また現場の意見などを参考に作成する必要があります。また出来上がった数値が納得のいかないものであれば、経費削減・原価削減も考慮し、計画を修正していかなければなりません。

・銀行への説明
 上述の通り、資金繰り表の作成から、銀行への事業計画の説明までも社長自身が主体となって計画し、説明することが求められます。ただし、自身の立てた計画や銀行とのやりとりに不安があるようでしたら、社外の専門家や顧問税理士等と協力し、進めていくことも必要です。

 GO&DO 篠原税理士法人では、銀行対応もお手伝いいたします。新規事業や設備投資等新たな融資についてお困りの方はお気軽にご相談下さい。

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GO&DO 篠原税理士法人
森本 慎二
Tel 082-504-0333 Fax 082-504-0334
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2010.07.01

税務コラム第21回:医療法人の税制優遇


T.法人税率
 一般の医療法人については、法人税法上普通法人と同じ税率により税額が計算されますが、特定医療法人・社会医療法人については下記のように税率が優遇されています。

<所得に対する法人税率>
図1 所得に対する法人税率


U.法人事業税の社会保険診療報酬等に係る所得の課税除外
 医療法人は地方税法上の特別法人にあたり、法人事業税を計算する際、社会保険診療報酬等に係る所得について課税除外となります。
また、外形標準課税の適用対象からも外れます。

V.社会保険診療報酬に係る経費の特例
 医療法人の年間の社会保険診療報酬が5,000万円以下であるときは、その社会保険診療報酬に対して、概算経費率を乗じて計算した金額を経費として算入する特例を適用することができます。
<経費率表>

社会保険診療報酬 経費率
 2,500万円以下   72%
 2,500万円超3,000万円以下   70%
 3,000万円超4,000万円以下   62%
 4,000万円超5,000万円以下   57%

 医療法人については、出資金評価の方法・収益事業の禁止等さまざまな点において普通法人との違いがあります。
 疑問点等ございましたらご質問いつでもお待ちしております。

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GO&DO 篠原税理士法人
大谷 征雅
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2010.06.15

税務コラム第20回:建設業における請負契約の収益計上時期について


1.建設業における請負契約の収益計上時期については、原則として工事完成基準を採って
 います。                         (法人税法基本通達2-1-5)

2.但し、長期大規模工事(※)については、工事進行基準が強制適用されます。
                              (法人税法64条第1項)
(※)工事期間が1年以上で、かつ請負金額が10億円以上の工事 (法人税法施行令129条)
  請負金額の2分の1以上が引渡期日から1年経過後に支払われる工事でないこと
                             (法人税法施行令129条第2項)

3.また、継続適用を要件として、長期大規模工事以外の工事については、工事進行基準を
 認めています。                      (法人税法64条第2項)

⇒すなわち、長期大規模工事を除いて、原則として工事完成基準としながらも、
 工事進行基準も認めるというように、会計上の考え方を取り入れています。

 請負工事の収益認識基準をまとめると、以下のようになります。
 長期大規模工事         →  工事進行基準 (強制)
 長期大規模工事以外の工事(注)  →  工事完成基準 (原則)
                    工事進行基準 (継続適用を条件に選択)

(注)平成20年4月1日以後に開始する事業年度に着工された工事から、損失が生じると見込まれる
  工事も含まれるようになりました。


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担当:加治 俊彦
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2010.01.08

税務コラム第19回:新年会での飲食費についての注意事項


 年も改まり、新年会を開かれる企業は多いことかと思います。そこで、新年会での飲食費についての税務上の取扱いについて説明させて頂こうかと思います。

※※※交際費・福利厚生費の判断※※※
 社員旅行や新年会、忘年会などのように、社員の慰安を目的とする費用については、社員全員が対象であるかないかが福利厚生費の判断基準になります。
 たとえば、役員や幹部社員だけ、一部の部門だけ、有志だけ、など、特定の社員が実施する新年会などの費用を支出した場合は、原則として給与、または交際費として扱われることになります。交際費・給与の判断は、その新年会などの行事が会社の業務上必要であれば交際費に、参加者の個人的なものであれば、その参加者に対する給与として取り扱われます。

※※※5千円基準※※※
 新年会が交際費に該当するものであっても、一定の条件の元で、交際費から除外することが可能です。新年会において取引先の接待を目的としての飲食等があり、その飲食代を負担した場合、1人当たり5千円以下であれば交際費から除外できます。
 その為には、その飲食のあった年月日、参加者の人数、参加した取引先などの氏名や名称、会社との関係、かかった費用とその飲食店などの名称・所在地などを記載した書類を保存しておくことが要件となります。

※※※タクシー代・お土産代※※※
 新年会において、歓送迎のためにタクシーを利用したり、また帰りにそのお店のお土産を持たせることも多いかと思います。この場合、両者とも交際費としての性格を持っていますが、こと5千円基準に関して言えば、タクシー代には上記基準は適用されず、お土産代は飲食代と合算し、5千円基準が適用されます。
 ただし、請求書に飲食費とお土産代が区分明記され、お土産代を除くと5千円基準が適用される(お土産代を含めると5千円超)場合であっても、飲食費だけを抜き出し、5千円基準を適用することは出来ません。またお土産だけを購入した場合、それは贈答費に該当するため、5千円控除は適用出来ないこととされています。

※※※二次会・経理等※※※
 5千円基準は一つのお店単位で適用されるものであるため、二次会・三次会とはしごをした場合は、そのお店ごとに5千円基準が適用されることとなります。
 またこの5千円基準は会社ごとの処理方法によって、適用範囲は変わってきます。税込経理であれば税込5千円以内が5千円基準の適用範囲となりますが、税抜経理であれば、税込5,250円までが適用範囲となります。

※※※法改正等※※※
 資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人(中小法人)に係る交際費課税について、平成21年4月1日以後に終了する事業年度から、定額控除限度額を400万円から600万円に引き上げることとされました。
 交際費の税務上の取扱いに関する法改正は現在過渡期にあり、まだまだ慎重な判断が必要だと言えます。ちょっとした手違いやミスで税金を多く払うことがないよう、経営者・経理責任者の方は新年会等大きな行事を行なう際は、前もっての準備・計画をしておく必要があるのではないでしょうか。

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GO&DO 篠原税理士法人
担当:森本 慎二
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2009.12.05

税務コラム第18回:相続税について


 相続税は、相続や遺贈によって取得した財産及び相続時精算課税(注1)の適用を受けて贈与により取得した財産の価額の合計額(債務などの金額を控除し、相続開始前3年以内の贈与財産の価額を加算します。)が基礎控除額(注2)を超える場合にその超える部分(課税遺産総額)に対して、課税されます。
 この場合、相続税の申告及び納税が必要となり、その期限は、被相続人(注3)の死亡したことを知った日の翌日から10か月以内です。

  (注1) 第17回コラム参照
  (注2) 5千万円+1千万円×法定相続人の数
  (注3) 被相続人とは、死亡した人のことをいいます
  
1.相続税の計算
 上記課税遺産総額に対して法定相続分が民法第900条及び第901条に規定する相続分に従って分けたものとした場合における各相続人ごとの金額を計算し、各相続人ごとの金額に税率を乗じて、相続税を算出し、合計した金額となります。

 (計算例)
   相続財産   2億円
   債務     3,000万円
   法定相続人  3人(法定相続分 配偶者1/2・子1/4・子1/4)
   基礎控除額  5,000万円+1,000万円×3人=8,000万円
   課税遺産総額 2億円  −3,000万円−8,000万円=9,000万円
   税額     9,000万円×1/2=4,500万円
          4,500万円×20%−200万円=700万円(配偶者分)
          9,000万円×1/4=2,250万円
          2,250万円×15%−50万円=287.5万円(子1人分)
           700万円+287.5万円×2人=1,275万円

※1,275万円を実際に取得した財産の割合で納付します。
※配偶者の場合は取得した財産が法定相続分相当額または1億6千万円までは納税がゼロとなる軽減措置があります(期限内申告かつ未分割財産がないことにより適用されます。)。
  
[相続税の速算表]

法定相続分に応ずる各人の取得金額 税率 控除額
1千万円以下 10%
3千万円以下 15% 50万円
5千万円以下 20% 200万円
1億万円以下 30% 700万円
3億万円以下 40% 1,700万円
3億万円超 50% 4,700万円
2.主な相続財産の評価
(1)現金預金
 被相続人が死亡した日の現金預金が評価額となります。
(2)生命保険金(みなし相続財産)
 生命保険金額より500万円×法定相続人の数を除いた金額が課税財産になります。
(3)退職手当金(みなし相続財産)
 退職手当より500万円×法定相続人の数を除いた金額が課税財産になります。
(4)土地
 路線価又は倍率評価にて土地の状態を加味して評価します。居住用・事業用等の土地は相続要件により課税価格の一部を控除することが可能となります。
(5)建物
 固定資産税評価額により評価します。賃貸物件に該当すると評価を減額することが可能となります。
(6)株式
 上場株式の場合は、相続開始の日の最終価格・その月の平均額・その前月の平均額・その前々月の平均額のうち最も低い価格によって評価します。
 非上場株式の場合は、配当状況・株主状況・会社の財産状況を加味し株の評価をします。
※詳しくはお気軽にお問い合わせください

3.相続税申告での注意点
 相続税の申告は相続発生日の翌日から10ヶ月以内で期限内に申告することにより、土地等の評価額の減額等を受けるなど納税額を最小限にすることができます。期限後申告になると無申告加算税・延滞税がかかります。納税については、延納や物納が認められる場合もありますので、税理士等にご相談ください。
 近年は親族間での遺産分割で揉める事が多くスムーズな申告が難しくなっております。公正証書による遺言書を作成するなど事前の対策をし、期限内に遺産の分割協議・申告ができるよう早めの対応が大事となります。

4.今後の動向について
 政権交代以前から相続税の計算方法についても議論されており、注目していく必要があります。親族等へのスムーズな相続をしていくには事前の準備なくしては成し得ません。


 相続税の節税対策や相続税の申告について気になることがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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GO&DO 篠原税理士法人
明石 隆広
Tel 082-504-0333 Fax 082-504-0334
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2009.11.11

税務コラム第17回:贈与税について


 贈与税は、個人から現金や不動産など財産をもらったときにかかる税金で、あげる人(贈与者)でなく、もらう人(受贈者)が納める税金です。贈与税は相続税の補完税と位置づけられており、生前の贈与については税率が高いことが特徴です。財産をもらった人は、申告と納税を財産をもらった年の翌年2月1日から3月15日の間にする必要があります。

1.贈与税の課税方法について
 贈与与税の課税方法は、「暦年課税」と「相続時精算課税」の二つがあります。

(1)暦年課税
 1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額が110万円(基礎控除額)を超えた場合、その超えた額(基礎控除後の課税価格)に対し下記に記載した税率を乗じた金額から控除額を差し引いて算出した金額が、贈与税額となります。

基礎控除後の
課税価格
200万円
以下
300万円
以下
400万円
以下
600万円
以下
1,000万円
以下
1,000万円
税率 10% 15% 20% 30% 40% 50%
控除額 10万円 25万円 65万円 125万円 225万円
(例)贈与財産の価額の合計が500万円の場合
  500万円 − 110万円 = 390万円
  390万円 × 20% − 25万円 = 53万円(贈与税)

 夫婦や親子などの間で生活費や教育費に充てるためにもらった財産など、その性質や目的などからみて非課税とされるものもあります。
 また婚姻期間が20年以上の夫婦の間で居住用の不動産又は居住用の不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合には、最高2,000万円までの配偶者控除がありますので、税金がかからないこともあります。

(2)相続時精算課税
 65歳以上の親から20歳以上の子が財産をもらった場合、特別控除額(限度額:2,500万円。ただし、前年以前において既にこの特別控除額を控除している場合は、残額が限度額となります。)を超えた部分に一律20%の税金がかかります。この制度によりもらった財産は、相続の時に相続財産に含めて計算されますが、納めた贈与税は相続税から差し引くことができる仕組みとなっています。
 また平成21年12月31日までに住宅取得等のために資金の贈与を受けた場合には、特別控除額にさらに1,000万円上乗せし3,500万円控除することができます。この場合は親が65歳未満であっても、この制度を適用することが可能です。
 財産をもらう子は父と母それぞれで「相続時精算課税」を選択できますが、贈与者が亡くなる時まで継続して適用されます。いったん選択した場合は撤回ができず、暦年課税に変更することはできませんから、よく考えてから適用する必要があります。

(例)父からの贈与について相続時精算課税を選択し、適用初年度に2,000万円、次年度に1,000万円贈与を受けた場合
 (初年度)
   2,000万円 − 2,000万円(特別控除額)= 0
   特別控除額 2,500万円 − 2,000万円 = 500万円
 (次年度)
 1,000万円 − 500万円(特別控除額) = 500万円
    500万円 × 20% = 100万円(贈与税)

2.贈与を行う場合の注意点
 贈与をされる場合、まず贈与契約書を作成する事が重要ですが、できれば贈与者と受贈者のお互いが自署押印されたものが望ましいです。
 またお子様などに現金を贈与される場合でお子様名義の通帳に入金される時は、贈与した親が通帳や届出印を管理されていると贈与にならないと判断されます。
 贈与税がかかる場合に贈与した人が贈与税を納税しますと、負担した贈与税が贈与となりますから、必ず贈与を受けた人が納税するようにして下さい。

3.政策の変動と今後の対応について
 最後に、現在追加経済対策などで住宅取得資金については非課税枠が500万円拡大していますが、今後の税制改正でこれを2,000万円に拡大しようという要望もあるようです。
 税制改正や政策などによりこの数年の間に非課税枠がめまぐるしく変わってきていますが、国民一人一人の状況はそれぞれ違いますので慎重な対応が必要です。
 情報に惑わされることなく現状をよく理解し、将来(相続)を見据えたうえでご自身にあった制度を正確に判断し適用することが重要です。

贈与したいけどどうすればいいかわからない方、迷われている方などは税の専門家である税理士に是非ご相談下さい。

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GO&DO 篠原税理士法人
奥 順夫
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2009.10.13

税務コラム第16回:消費税確定申告上の注意事項


 消費税の納税義務の判定は、基準期間課税売上高1,000万円を超えるかどうかで行います。基準期間とは、個人事業者の場合その年の前々年の、法人の場合その事業年度の前々事業年度をいいます。
 新規に開業した個人事業者の場合、開業した年とその翌年については基準期間の課税売上高がないため、納税義務はありません。また、新設法人についても資本金が1,000万円未満であれば設立事業年度とその翌事業年度については原則免税事業者となります。ただし、新設法人であっても期首の資本金が1,000万円以上の場合には1期目から消費税の課税事業者となりますので、設立の際には注意が必要です。
 また、免税事業者である場合でも、課税事業者となった方が有利になる場合があります。設立当初で事業に投下資金がかかる場合、次年度以降に多額の設備投資が予定されている場合には、課税事業者であれば、下図のように消費税の還付を受けることができます。
┏━━━━━━━━━┓ ┏━━━━━━━━━┓ ┏━━━━━━━━━━━┓
┃課税売上分の消費税┃−┃課税仕入分の消費税┃=┃控除仕切なかった消費税┃
┗━━━━━━━━━┛ ┗━━━━━━━━━┛ ┗━━━━━━━━━━━┛
     50万   −    100万   =    △50万
                  課税事業者・・・還付申告すれば戻ってくる。
                  免税事業者・・・還付は受けられない。

 その他、課税事業者である場合でも、基準期間の課税売上高5,000万円以下の小規模事業者については消費税の納付税額の計算において、預かった消費税から支払った消費税を差し引いた残りを申告納付する方法(原則課税)と、事業の種類によって定められたみなし仕入率を課税売上に対する消費税額に乗じて計算する方法(簡易課税制度)とを選択適用することができます。簡易課税制度は、中小企業者の事務負担を考慮して設けられた制度で、これに拠ることで実際の課税仕入等の税額を計算する必要はなく、課税売上高のみから納付する消費税額を算出することができます。(課税売上の種類が複数の事業区分になることがありますので、売上の区分には注意が必要です。例;飲食業・・・テイクアウトと店内での飲食がある場合、建設業・・・手間賃だけの仕事と材料代まで含んで請求する場合等)

 また、簡易課税に拠って申告している事業者も、大きな設備投資の計画等で『売上にかかる預かった消費税』 < 『仕入にかかる支払った消費税』となりそうな場合は、事務負担はありますが、課税仕入を考慮しない簡易課税制度よりも原則課税を選択した方が有利となる場合がありますので、毎年事業年度が終了するまでに次年度以降の消費税についての検討をすることをお薦めします。

@原則課税の場合
┏━━━━━━━━━┓ ┏━━━━━━━━━┓ ┏━━━━━┓
┃課税売上分の消費税┃−┃課税仕入分の消費税┃=┃納 税 額┃
┗━━━━━━━━━┛ ┗━━━━━━━━━┛ ┗━━━━━┛
    50万    −    35万    =  15万

A簡易課税の場合(例:小売業 みなし仕入率80%)
┏━━━━━━━━━┓ ┏━━━━━━━━━┓ ┏━━━━━┓
┃課税売上分の消費税┃−┃課税売上分の消費税┃=┃納 税 額┃
┃         ┃−┃ ×みなし仕入率 ┃=┃     ┃
┗━━━━━━━━━┛ ┗━━━━━━━━━┛ ┗━━━━━┛
    50万    −    40万    =  10万

B原則課税の場合(設備投資に対する消費税が45万あった場合)
┏━━━━━━━━━┓ ┏━━━━━━━━━┓ ┏━━━━━┓
┃課税売上分の消費税┃−┃課税仕入分の消費税┃=┃納 税 額┃
┗━━━━━━━━━┛ ┗━━━━━━━━━┛ ┗━━━━━┛
    50万    −    80万    = △30万

例では、@>Aなので、通常であれば簡易課税を選択した方が有利になりますが、Bのように設備投資等支払消費税が多くなると見込まれる場合には、(簡易課税を選択した場合、その事業年度から最低2年間は変更することができません。)原則課税で申告した方が有利になります。

新たに消費税の課税事業者となろうとする場合や、従前の計算方法を変更しようとする場合には、所轄税務署への届出が必要となります。(例;『課税事業者選択届出書』『簡易課税制度選択届出書』等)
消費税の届出書に関するポイントとしては、

  • 特例を適用する又はやめる場合の前課税期間(事業年度)の末日までに届出をすること(申告納付期限ではありません。)
  • 特例は最低2年間継続しなければならないため、特例を選択した年と翌年との2年間で納税額の有利不利の試算をすること。
  • 選択した特例をやめようとする時には必ず不適用届出書を提出しなければならないこと(不適用届出書を提出しない限り、特例は継続されます。)
が挙げられます。

還付を受けようとする場合や原則課税と簡易課税のどちらが納税をするうえで有利となるかは事前に翌期以降の計画を踏まえて、届出を提出する年度だけではなく、その次年度までの納税額で判断することが必要です。

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GO&DO 篠原税理士法人
担当:西岡
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2009.09.16

税務コラム第15回:FX取引に関する税務上のポイント

<FX取引とは>
 FX取引とは外国為替証拠金(保証金)取引ともいわれ、「外国為替」を「証拠金」を使って売買する投資方法です。一定の証拠金を取引業者に預けることで信用供与をしてもらい、手持ち資金の10倍〜400倍といった金額を取引することができるハイリスクハイリターン型の金融商品です。

<FX取引の課税方法>
 FX取引には、取引所を通じた取引(取引所FX)と、仲介業者を通じて行う非取引所取引(店頭FX)の2種類の形態がありますが、いずれによる所得も雑所得として扱われます。

 (1)取引所FX
 取引所FXには、東京金融取引所の「くりっく365」と平成21年7月21日より大阪証券取引所に開設された「大証FX」が該当します。
 この取引で生じた利益は申告分離課税となり、一律20%(所得税15%、地方税5%)の税率が課され、そこで課税関係も終了します。
 損失が生じた場合も確定申告時に必要書類を提出することにより3年間の繰越控除を受けることが可能です。

 (2)店頭FX
 店頭FXで生じた利益については、総合課税が適用され年間の利益が20万円以上の場合確定申告が必要となり、その他の所得と合算し最高50%の税率となります。
 損失発生時も他の先物取引との損益通算は不可能ですし、損失の繰越もありません。

 平成20年度税制改正により、FX取引を取り扱う金融商品取引業者は平成21年1月1日以後に行われる取引については、取引損益を記載した支払調書を税務署に提出することが義務付けられました。
 昨年までは支払調書の提出は、取引所FXのみだったため、店頭FXによる利益の申告漏れが多数指摘されていました。


今取引をしている方、今後取引を始めようと考えられている方とも、適正な課税上の取り扱いに注意が必要です。

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GO&DO 篠原税理士法人
担当:赤木
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2009.08.06

税務コラム第14回:源泉所得税の納期特例


 会社や個人が人を雇い給与を支払ったり、税理士や弁護士などに報酬を支払った際には、その都度支払い金額に応じた所得税額を差し引くことになっています。差し引いた所得税額は、原則として、給与などを実際に支払った月の翌月10日までに国に納めなければなりません。
 しかし、給与の支給人員が常時10人未満である場合は、差し引いた所得税額を半年分まとめて納めることができます。この制度を「納期の特例」といいます。
1.納期の特例
 (1)源泉所得税の納期限
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃1月から6月支給分   7月10日まで ┃
┃7月から12月支給分 翌年1月10日まで ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
 (2)申請手続き
  提出物
   「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」
  提出時期
   特に定められていません
   (原則、提出した月の翌月以後に支払う給与等から適用)
  提出先
   給与支払い事務所等の所在地の所轄税務署


 年末調整の作業のスケジュールによっては、7月から12月支給分の源泉所得税を翌年1月10日までに納付することが困難な場合が考えられます。
 そこで、納期限を更に翌年1月20日までに延長できる「納期限の特例」制度があります。
2.納期限の特例
 (1)適用条件
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃@その年の12月31日において、源泉所得税の延滞がないこと ┃
┃Aその年の7月から12月までの間に源泉徴収した所得税を   ┃
┃              翌年1月20日までに納めること ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
 (2)申請手続き
  提出物
   @既に「納期の特例」を受けている場合
   「納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出書」
   A「納期の特例」と「納期限の特例」を申請する場合
   「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書兼納期の
   特例適用者に係る納期限の特例に関する届出書」
  提出時期
   提出する年の7月から12月までの間の所得税について適用を受け
   ようとする場合、その年の12月20日までに提出
  提出先
   給与支払い事務所等の所在地の所轄税務署


源泉所得税の「納期の特例」又は「納期限の特例」に関してご不明な点がありましたら、お気軽にご相談ください。

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GO&DO 篠原税理士法人
担当:谷崎
Tel 082-504-0333 Fax 082-504-0334
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2009.07.06

税務コラム第13回:住宅ローン減税


 平成21年度税制改正で、住宅ローン減税制度の適用期限が5年間延長されました。
また、この度の制度改正では、住宅取得等にかかわる税制の優遇措置が大幅に拡充しています。具体的な内容は以下のとおりです。
(改正前)

居住年 控除期間 住宅借入金等の
年末残高限度額
控除率 最大控除可能額
平成20年 10年又は15年 2,000万円 ・10年間の場合
1〜6年目 1.0%
7〜10年目 0.5%
・15年間の場合
1〜10年目 0.6%
11〜15年目 0.4%
160万円
(改正後)

居住年 控除期間 住宅借入金等の
年末残高限度額
控除率 最大控除可能額
平成21年
平成22年
平成23年
平成24年
平成25年
10年間
10年間
10年間
10年間
10年間
5,000万円
5,000万円
4,000万円
3,000万円
2,000万円
1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
500万円
500万円
400万円
300万円
200万円
適用要件は、住宅の取得等をして平成21年1月1日から平成25年12月31日までの間に居住の用に供した場合(住宅取得から6ヶ月以内に居住の用に供した場合に限ります)です。

  平成21年から平成25年までの間に居住の用に供したときは上記のとおり住宅借入金等の年末残高限度額が拡大され、最大控除可能額が500万円となりました。

  また、住宅ローン減税の適用を受け所得税から控除しきれない金額がある場合には、住民税から控除されます。その控除額はその年分の所得税の課税総所得金額の5%(最高97,500円)が限度となります。

  最近の傾向では、20代後半から30代前半の年齢層の方がマンション又は一戸建てを購入されるケースが多くなってきました。今年中に住宅を購入あるいは、増改築をされる方はぜひ一度税理士にご相談ください。

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GO&DO 篠原税理士法人
石森 仁美
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2009.03.25

税務コラム第12回:電子申告


 税務コラムを書き始め、ちょうど一年が経過しました。今思い直すと、「税」という扱いづらい材料を、ツギハギを加えながら、なんとか文章として形作っていっていたようにも思えます。

 今日本ではあらゆる分野において省力化を目的としたあらゆる処理の電子化が勧められています。それは税務署においても例外ではなく、今まで紙ベースだった申告から電子データによる申告(e-tax)が出来るよう環境を整備し、それを推奨しております。また当事務所においても一昨年より電子データによる申告への取り組みを行なっております。

 電子申告へと移行することにより、申告書類の提出を簡素化できること、住民基本台帳カード取得により所得税の5000円控除が受けられること、また還付申告の場合、通常の紙ベースで申告書を提出した場合よりも税金が還付されるまでの期間が3週間程度早くなることがメリットとして挙げられます。

 平成16年から始まったこの電子申告、その普及率は18年に2%、19年には15%へと高まるなど、普及は進んでいるように思えます。ですが諸外国において電子申告普及率は高く、アメリカでは50%、オーストラリアでは70%、この度WBC決勝で日本と死闘を繰り広げた韓国においては普及率が80%となっており、このように諸外国と比べると日本は電子申告において出遅れていると言えます。

 日本の電子申告は手続きが複雑かつ、機能が解りづらいことなどから、利用者に敬遠されているといった指摘があります。ですが、有名人による電子申告普及のパフォーマンス活動も活発であり、先日にはプロゴルファーの石川遼選手がe-taxを用い、自らの申告を電子申告で行なわれている姿がメディアに取り上げられていました。

 日本は自動車大国であると同時に、IT国家としても側面も決して弱くはありません。語弊があるかもしれませんが、他国への示しとしても、普及率の向上へ向け国と納税者が協力し合うことも必要ではないでしょうか。
 ただ、申告者も税理士も高齢化が進んでいる現在、電子化の流れは若干酷なようにも思えます。


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GO&DO 篠原税理士法人
担当 森本
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2009.03.19

税務コラム第11回:定額給付金


 ようやく確定申告の時期が終わりました。私自身余裕が無く、周りに迷惑を掛けながら進めるなど反省点だらけの一ヶ月となりました。ほんとうにみなさん、夜遅くまで大変お疲れ様でした。

 新聞やテレビを見ていなくとも社会は動いているようで、つい先日まで国会で議論されていた定額給付金も支給が決まり、現在では各市町村において、職員の方がその準備に追われる毎日を過ごしているようです。

 定額給付金について簡単に説明させて頂くと、日本に住所のあるの方、及び適法に在留する外国人を対象に、一人当たり1万2千円(18歳以下、65歳以上の方には2万円)を支給するものであり、これは福田政権の際に決定した定額減税案を、給付金方式に形を変え追加経済政策に盛り込んだものと言えます。当然のことながら、この給付金は非課税所得として取り扱われます。
 定額減税案と比較するならば、給付方式であれば、非納税者(低所得者)にも、その恩恵が行き届くところに特徴があります。

 さてこの給付金、以前から問題視する声が多く聞こえており、実際のところどうなのか、というのが多くの人の率直な感想のように思えます。

 蓋を開けてみなければ効果の程は解りませんが、今まで多くの先進国において、似たような政策が行われてきました。アメリカでは所得税の還付の形で2008年4月下旬から1億3000万世帯に総額1070億ドル(約11兆3000億円)、オーストラリアでは2008年12月より一般家庭や年金受給者などに対し総額87億豪ドル(約5300億円)が景気刺激策の名目において支給され、その結果、個人消費支出が予想以上に増加するといった実績を出しています。
 他にも台湾・ドイツ・フランス・オランダにおいても同じような景気刺激策が打ち出されており、成果を上げた国もあれば、思った通りに成果が上がらなかった国もあるというのが現状です。

 同じ政策であってもその国々の地域や風土・国民性によって、その影響は異なってくるでしょう。ですが他国を参考にしながら、自国でも試してみようとの精神は決して無駄ではないように思えます。


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担当 森本
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2009.02.09

税務コラム第10回:金融商品取引における確定申告


 去年1年間を振り返ると、激動の1年といっても過言ではありません。サブプライムローンを発端とした世界恐慌から株価の大幅な下落が引き起こされ、多額の損失を被った投資家も少なくないでしょう。
 税の基本的な性格は、お金を儲けている人から多くの税金を徴収することにあります。ですから今回のように損を被った人には、その損を還元することもまた税の役割とも言えます。ただ泣き寝入りをするのではなく、正確な申告をして損害を少しでも抑えられるよう努めていきましょう。

 株取引において発生する配当は配当所得に、売買によって発生する所得は譲渡所得に分類されます。配当所得は給与などと合算され所得税が計算され、譲渡所得は株や不動産の売買取引によって発生する譲渡所得の枠内において所得税が計算されます。
 ただ一般的に「源泉徴収あり」の特定口座でそれら金融資産を運用している場合、また「源泉徴収なし」や一般口座で運用し、その利益額が20万円以下の場合は確定申告を行う必要はありません。
 もちろん株取引の結果損が発生した場合も、確定申告を行う必要はありません。しかし、確定申告を行うことでその損失を向こう3年間繰り延べることが出来るため、多額の損失を出した年は多少面倒でも確定申告をしておくことをお勧めします。

 株取引とは違いますが、数年前に主婦が金融資産取引(FX)により4億円強の利益を得たものの、申告をせず1億4000万円もの脱税を行ったと話題になりました。
 現在では預金利息も低く、より高い利息での運用をと金融資産の運用を始められる方も増えています。そしてこのような脱税事件も度々発生していることから監視の目も厳しくなっており、正確な申告を心がける必要があります。
 また一般的に脱税額が1億円以上で、悪質なものは刑事罰に処せられる可能性が高いため注意が必要です。

 金融商品は移り変わりが速く、これらに対する課税制度は増加し、複雑になってきています。知らなかったことで、延滞税が掛かったり、余分に税金を払ったりすることがないよう注意すると同時に、税の面から見ても有利な金融商品による資産運用を心掛けていくことがこれからは大切になってくると思います。


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2008.11.25

税務コラム第9回:入島税


 一見まとまりなく散らばっているものも、それらを繋ぎ合わせることで、その本質が形作られ姿をあらわすことがあります。数学の問題であったり、社内の人間関係であったり、はたまた政治とかねの問題であったりと、引いた線の数だけ様々な形が彩られていきます。
 ただこの季節においては、夜空に輝く星を繋ぎ合わせ、出来上がった形を思い描き楽しむのもまた一興ではないでしょうか。

 最近多くの文化財・原生林の生息している広島県宮島において『入島税』を導入しようとする動きがあり、話題となりました。ご存知の通り宮島は世界遺産の一つに数えられ、魅力的な島として日本国内にとどまらず、海外からも多くの観光客が訪れています。ですがその維持費が市の財政を圧迫しており、それら歳出の穴埋めとして『入島税』の検討が進められてきました。
 今回検討された宮島への『入島税』は、特定の使途のため、各自治体が独自に徴収できる法定外目的税で、『産業廃棄物税』(京都府・福岡県等)や『宿泊税』(東京都)などがあります。また沖縄県伊是名村では平成17年より『環境協力税』との名目で入島税を実施しており、これといった苦情も無く現在も実施されています。

 どれだけ大義名分を抱えた税の導入であっても、市場の理論を無視することは出来ません。宮島への観光に対する付加的な料金の徴収は、野菜や果物の価格が上昇するのと同様に、需要の減少(観光客数の減少)を招きます。それは必然的に現地での消費活動の低迷に繋がり、市の税収にも響いてきます。
 大切なことは入島税を徴収することによる財源確保というメリットと、観光客の減少によってもたらされるデメリットを正確に把握した上で、お互いを天秤にかけ、どちらに傾くのかを見極めることにあります。
 この度の入島税は、現在日本経済が後退局面にあることを考慮した上で市は断念し、導入は見送りとなりました。結果としてこの判断が正しかったのか間違っていたのかは解りません。ですが道州制の移行を始め、地方への裁量委譲の流れは不可逆的であり見過ごせるものではありません。
 地方が地方として生き残っていくためには、この『入島税』のように地方ごとに特色ある税制度の構築が今後は必要になってくるでしょう。


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2008.10.27

税務コラム第8回:ふるさと納税


 米国経済不況のあおりを受けてか、日経平均株価もバブル崩壊後の水準にまで落ち込んでいます。一般的に市場の失敗は政府が補っていく立場にありますが、米国では市場と同様に政府も失敗し、日本においては現状把握に翻弄され有効な手を打てずにいる、といった印象を受けます。
 今世界中に巻き起こっている不況の波を世界各国が一丸となり鎮め、私の含み損が早く落ち着いてくれる事を願わずにはいられません。

 さて、今年4月30日の「地方税法等の一部を改正する法律」により、個人住民税の寄附金税制が大幅に拡充されました。これは「ふるさと納税」とも呼ばれ、自分の住んでいた都道府県・市区町村などへ寄付することで地方間格差が是正され、また寄付した額のほぼ全額が税額控除されるというものです。税額控除の計算式は以下のようになります。

 (寄付金−5,000) × 10%         ・・・・・・ @
 (寄付金−5,000)×(90%−所得税控除率) ・・・・・・ A
 
  住民税控除額 = @+A 
 ※住民税控除額は住民税所得割の一割を限度とする。

 生まれ育った故郷を離れても、この制度を使うことで地域に貢献できることや、またいくつかの自治体では、一定額以上の寄付をした場合にその地域の特産物を贈呈してくれるなど、非常にユニークな試みが行われています。
 しかし、この制度が根本的な地方間格差を是正するための対策にはなっていないという意見や、自治体の税務が煩雑になるなどの反対意見も少なくありません。

 まだ広く浸透しているとはいえませんが、各自治体では、寄付金を募る専用サイトを開設するなど努力しており、著名人などもこの制度を利用し始めています。最近ではお笑いコンビ「爆笑問題」が大阪府に1,000万円寄付したことも記憶に新しいかと思います。

 人を育てるのは良くも悪くも環境です。この「ふるさと納税」をしてもらうべく地方自治体は魅力ある社会・環境を整備するなど努力を払い、選ばれていく必要があります。
 自分たちの作り上げた町が、現在、そしてこれから住民が都会に移ろうと、その気持ちを繋ぎ止められる町であったかどうか、地方自治体はじっくりと考えていかなければなりません。


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2008.09.28

税務コラム第7回:保険料控除


 年末の準備、というと少し気が早いように思えますが、業界によっては早くも準備を進めているところがあります。その一つが保険業界であり、現在年末調整・確定申告に向けて保険料控除通知の準備を始めており、皆さんの家庭にも届き始めるころではないでしょうか。

 お勤めされている方にはなじみの深いものだと思いますが、保険料控除には生命保険料控除・個人年金保険料控除・地震保険料控除の3種類があり、それぞれ5万円ずつ、合算して最高15万円の所得控除を受けることができます。

 ここで肝心なことは、飛行機に乗ったり、観葉植物を買ったりするのにお金を払っても、それは所得控除にならない、ということです。そこには保険料控除が政策誘導的な控除である、といった問題があります。

 保険制度の充実は豊かな国づくりを目指す国家の目標の一つであり、それが保険料控除という形で動機付けを行い、我々に還元されるといった仕組みとなっています。
 この度改正された住宅の省エネ改修促進税制(借入金に対する一定割合の所得控除)や証券税制の見直し(配当に対する所得税・住民税の軽減)も、温暖化ガス排出抑制・株取引の促進といった現状の問題や課題を踏まえた改正であり、仕組みとしては同じものといえます。

 ですが平成19年11月に税制調査会で公表した「抜本的な税制改革に向けた基本的考え方」では多数の人的控除や所得控除の存在が、制度を複雑化させており、政策誘導的な控除を是正していこうとの動きがあります。そして生命保険、個人年金保険に関する税制の見直しが行われる可能性も高まっています。

 保険制度の充実は、将来への不安を和らげ、安心した暮らしを実現させる反面、モラルハザード(リスク回避行動の阻害)を引き起こすといった問題を含んでいます。
 国は全体の福祉の充実を実現させるという立場にたっていますが、その時々によってそのありようは変わっていきます。先行きを定め、国民・国・企業、どちらにも偏向を持たない制度の有り方を提示できる力が今国には求められているように思えます。


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2008.08.29

税務コラム第6回:事業承継に掛かる税金


 この8月8日より中国にて北京オリンピックが開催されました。オリンピックは競技を通じて文化や国境を越え交流を図るものだと言われています。中継を見ていてスポーツに秘められた力に驚かされると同時に、スポーツ以外にも世界中で共通な文化を築けば、国同士、より円滑な交流が実現するのではと感じます。

 さて、現在事業承継税制の抜本的な見直しがされており、平成21年度税制改正において「取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度」が創設されます。これは平成20年10月以後の相続に遡って摘要されることとなっています。
 この法案の大綱は、事業承継に掛かる相続税の軽減措置にあり、従来相続時に自社株式の評価額を10%減額していたものを、この度の改正で納税額の80%を猶予するものとなっています。詳細については税務関連トピックにて解説されていますので、そちらをご参照下さい。

 税務関連トピック:事業承継税制A

 この特例を受けるには様々な制約があるものの、経営者にとっては非常に有利な税法改正となっています。

 この税法改正、問題が無いわけではありません。相続税には多額の基礎控除があるため、この特例の適用を受ける企業は、資金面にある程度余裕がある企業となります。これは税の本来の意義(資源再配分)から考えると、多少納得のいかない部分があります。

 ですが後継者不在によって廃業となるケースが多い中、この法案は親から子への事業継承を促進し、より多くの企業が存続していける環境を整える作用があります。そしてそれは企業を存続させたいという経営者の意思を尊重するものだとも言えます。

 会社は経営者にとって息子のようなものだとよく聞きます。民法を勉強しはじめた当初、法人も法の下では「人」とみなされる、という内容がどうしても理解できませんでした。ですが経営者の方のもとに何度も伺い、お話させて頂くにつれ、この言葉の意味がようやく身近なものに感じ始めた気がします。
 この度の税法改正が「人」を尊重するものになればと願います。


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2008.07.30

税務コラム第5回:タバコに掛かる税金


 地球温暖化の議論が熱を帯びるに従うかのように、この夏も毎日のように猛暑が続いています。7月7日に始まった洞爺湖サミットから環境問題について考え始められた方もたくさんいることと思いますが、部屋のクーラーを切るまでに至ったかどうか、個人的に気になるところです。

 さて、最近何かと増税に関する話が国会で取り沙汰されては世間を賑わせていますが、今回はその中でタバコ税を取り上げたいと思います。

 現在、日本においてタバコ税は、タバコ千本に対して8,744円掛かるよう取り決められています。つまり一箱20本入りのタバコに対し174.88円の税金が掛かる計算になります。このタバコ税も国や地方への割り振りが行われており、一箱300円のタバコを例に挙げますと、その内71.04円(23.7%)が国へ、道府県へ21.48円(7.1%)・市町村へ65.96円(22.0%)、そしてタバコ特別税として16.40円(5.0%)が掛かっていることになります。このタバコ特別税とは、日本国有鉄道清算事業団(旧国鉄)及び国有林野事業特別会計の負債を補うことを目的として平成10年に創設されています。

 「タバコ一箱1000円」 これは現在与野党において実際に議論されている問題であり、これが現実のものとなれば税収が増え、また喫煙者が減ることから健康増進にも繋がるというのが彼らの主張するところです。実際、タバコ税の引き上げから喫煙者が禁煙することで健康被害が少なくなれば、病気による機会損失(働ける人が働けなくなることによって発生する損失)が少なくなり、また医療費の抑制にも繋がることになります。仮に喫煙者が予想以上に少なくなり税収が多少落ち込んだとしても、医療費などの支出額も少なくなるため、結果として財政面においてはプラスになるということです。

 タバコ一箱の価格を諸外国と比べてみると、日本は意外と低い税額が設定されており、イギリスなどでは、日本円に換算すると一箱1000円程度と非常に高価なものとなっています。そして財政問題から健康問題までを考慮した日本におけるタバコの適正価格は600円から1400円といった研究結果が発表されており、国際的・経済的側面から見れば現在の価格は低いということが伺えます。

 タバコは体にとって有害です。ですが頭や気持ちを切り替えられるなどの作用もあり、タバコを吸う者にとって喫煙はライフスタイルの一部に組み込まれているといっても過言ではありません。近年メディアを通した嫌煙者の主張が前面に押し出され、それが喫煙に対する抑止力となり、公共の場におけるマナーの改善にも一役買っています。ですが行き過ぎた主張は問題の本質を見誤る危険性を高め、喫煙者のライフスタイルの変更を強いるような政策は、彼らの日常生活に歪みを生じかねません。健康問題から財政的な問題までを巻き込んで発展しているこの議論、ただもう少し喫煙者の生活に配慮した話し合いがあってもいいのではないでしょうか。


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2008.07.01

税務コラム第4回:国際情勢における関税の役割(2)


 春が終わり、季節が夏へと移り変わる準備として、今梅雨の時季を向かえております。薄暗く肌寒さすら感じる雨の日の景観はある種の風情があるのでしょうが、目下、洗濯物が干せず溜まっていることが個人的には問題です。

 さて、前回のコラムの中で関税の意義及びそれに対する企業の取り組みについて説明させていただくと書きましたが、少し周辺の事柄から説明を進めせさて頂きます。

 まず会社の目的とは何か、それは一般的に自らの利益を最大化するように行動することであって、そうした行動こそが社会を動かす原動力になります。ただしこれはある面正しく、ある面間違っているといえます。

 ではその間違っている面とは何なのでしょうか。よく新聞やニュースなどで、大型ショッピングセンターの進出による地元商店街のシャッター通り化、工業地帯から排出される汚水問題、都市化によってもたらされる環境汚染などが取り上げられ、我々もよく目にします。

 こういった問題も元を正せば、消費者の需要を満足させるような企業努力を行った結果不本意にも招かれた問題といえます。つまり企業の合理的活動が場合によっては不特定多数の外部者に対し不利益をもたらしかねない(外部性の問題)ということです。

 そしてそういった問題に法的規制をかけ禁止にするのではなく、企業側にハンデを与え、全体としての調和を図ろうというのが国際取引における関税の役割の一つになります。  逆を言えば、その不利益(外部性の問題)を是正する企業側の努力に対しては関税を削減するよう考慮することもまた国際機関の義務と言えます。

 現在、環境問題を考慮した企業努力をしている会社の例を挙げますと、例えばトヨタのハイブリッド車は環境に配慮し開発された車であり、シャープや京セラといった家電メーカーでは太陽光発電システムの開発に力を注いでいます。また燃料電池においては、その成分及び発電効率が非常に優れているなど、既存の製品に比べ資源や環境に対する負荷が格段に抑えられており、様々な業界でそれぞれの業態に合わせた開発が進められています。  そしてそういった製品には関税を削減・撤廃していこうとする動きがあり、それは結果として国際競争力を付け会社の利益へと繋がっています。

 大勢の福祉を謳った企業行動も、蓋を開ければ利益の追求によるものだったというのは少し悲しくも思えます。ですが、外部の環境をおざなりにして企業の永続的な発展を望むことなどはできません。利益を追求するという企業の本質的な部分と、一見何の関係もなさそうな自然環境や福祉といった現状の問題とを絡ませ、互助的な制度を作り出せるバランス感覚こそ、今の国際社会においては必要な力ではないでしょうか。


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2008.06.04

税務コラム第3回:国際情勢における関税の役割(1)


 ゴールデンウィークが過ぎ、五月病にかからないかと心配していたところ、幸いなことに早くも六月を迎えようとしております。税理士事務所で働かれている皆さまは三月決算の申告お疲れさまでした。

 さて、この4月、5月と食料品価格の高騰が立て続けに起こっており、経営者の方に限らず消費活動を行う日本国民にとって非常に悩ましい問題となっています。  価格高騰の背景には穀物の不作から、作物のバイオ燃料への転化、石油価格高騰による輸送費の上昇など、様々な問題が絡んでいます。

 価格問題を講じるにあたり、原価自体の問題を考えることも大切ですが、ここで一つ考えておきたいことが日本の自給率についてです。これは昭和40年度には73%もあったものが、現在においては39%にまで減少しております。つまり日本人が口に入れるものの61%が海外から輸入したものということになります。  そして次にもう一つ考えておきたいこと、それは関税の問題です。海外から輸入されるものには関税が課せられるものも多く、私たちが商品を購入する際支払う代金の一部は関税を支払っていると考えられます。

 さて、この関税とはどういったものなのか、その仕組みを簡単に説明するなら、海外から輸入するものに対して掛かる税金であり、主な目的として、国内産業を保護することなどが挙げられます。  例えば海外から安い商品が入ってくれば、それと同種の商品を生産している業者にとっては、海外から入ってきた安価な製品との競争を強いられることになります。つまり国際的な自由競争が内国産業の衰退に繋がる、といったことが想定されます。

 関税は税関によって定められており、その税率は半年に一度見直しがなされ、新しい税率表が作成されています。また輸入貨物の検査や、それがどの品目に当たるのかといった調査も税関により行われています。  この関税及び貿易に関する取り決めは広くWTO(World Trade Organization:世界貿易機関)によって運営・管理されています。

 世界的な経済発展を望むには、貿易に課せられた様々な垣根を取り払い、全ての国と自由に貿易を行えることが必要であり、WTOもまたその立場に立っています。  しかし、国ごとに経済発展の度合いや物価水準が異なっているため、一度に垣根を外すことは、世界経済の発展以上に大きな混乱を招きかねません。  そしてそういった調整の役割を担っているのが関税であり、その国際的な調整が私たちの購入する商品に影響を与えています。

 スーパーで買う野菜の値段から国際情勢を考えるのもどこかおかしな話ですが、身近な経済活動であっても、日本国内だけの問題では収まらないといった意識は必要なのかもしれません。

 関税については他にも多くの意義があり、それに対する企業の取り組みも盛んに行われています。それらの問題については次回の税務コラムにて説明させて頂きます。


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2008.05.09

税務コラム第2回:暫定税率について


 新聞を見ていますと思った以上に税に関する記事が多いことに最近気付きました。これは国民の税に対する関心の高まりが少なからず関係しているのでしょうが、その背景には各省庁における不祥事や国会の機能不全など、国民を不安にさせる要因からきているようで内心複雑です。

 さて、今回はそういった問題の中で最近テレビや新聞で特に取り上げられている道路特定財源となるガソリン税について説明していきたいと思います。実際にこの度問題となった暫定税率の失効と再開から国の財政システムに関心を持たれた方は多いのではないでしょうか。

 ガソリンにはガソリン税という税金がかかります。これは軽油で32.1円/g、揮発油(レギュラーガソリン・ハイオクガソリン)で53.8円/g課せられています。この度暫定税率が失効することにより軽油で15円/g、揮発油で28.7円/gへと税額が軽減され、ガソリンスタンドでの給油もしやすくなりました。

 また自動車重量税や自動車取得税もガソリン税の一種であり、暫定税率の失効に伴い自動車重量税は6,300円/dから2,500円/dへ、自動車取得税は取得価格の5%から3%へと引き下げられています。

 ここで多くの方が誤解されているようですが、暫定税率の失効はガソリン税が掛からなくなるといったことではなく、暫定税率の部分が課せられなくなったということです。つまり今まで私たちは本来払うべきガソリン税(本則税率)に上乗せする形でまた別のガソリン税(暫定税率)を支払っていたことになります。またこの暫定税率は呼んで字の如く「暫定的」に上乗せされていた税であり、1974年から向こう二年間の予定で始まったものが、期間の延長を重ね今に至っています。

 こうして集まったガソリン税は基本的に道路の建設や整備に充てられています。詳しく見ていきますと交通渋滞解消や踏切対策などの道路交通の円滑化、都市圏における環状道路の整備、防災・減災対策、バリアフリー化など、使途は多岐に渡っています。

 この5月から暫定税率が復活するものの、まだ国会での議論は続いています。暫定税率の復活は財源確保の他にも、建設業界の倒産防止や温室効果ガスの削減義務を課した京都議定書の数値目標を達成するために必要であるといった意識が国会にはあります。

 発言の裏には様々な意図があるとは思いますが、実際問題として道路は私たちの生活に無くてはならないものです。そんな必要な道路も運営する側の考え一つで必要不可欠なものになることもあれば未来への負債になることもあります。またモータリゼーションの進展が公共交通機関や地方都市の衰退、公害問題を引き起こすなど負の側面についても行政を担うものであれば特に認識しておかなければなりません。
 今回の問題は全体としての福祉を目指した税制度改革の難しさを広く国民に投げかけるものであったのではないでしょうか。

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2008.04.15

税務コラム第1回:税金の役割


 税務という仕事に携わりはや一年がたちます。税金といえばお店で商品を買うときに掛かる消費税くらいしか思いつかない私を雇ってくれたこの会社の度量の広さには今更ながら感心します。

 しかし実務を一年も重ねると今まで解らなかったものも不思議と解ってくるもの。そこで今回は実務を通じ考えさせられた税金の役割を、初心者の視点から述べさせて頂こうかと思います。


---税金の役割とは?---


 まず税金の役割とは何か、これは一言でいうなら富の再配分にあるといえます。つまりたくさんお金を貰っている人ほど多くの税金を支払い、そうして集まった税金は国や地方公共団体が管理・運営し全体の福祉に役立てていきます。


---私たちの支払う税---


 税金を支払うといいましても、サラリーマンが毎月頂く給料の中から支払うもの以外に、企業経営によって得た利益に応じその会社が支払うものや、贈与・相続などで資産価値の大きなものを他者へと移動する際にかかるものなど様々です。そしてこれらは適切な方法で管理され、洩れなく報告しなければなりません。またガソリン税やたばこ税、酒税など私たちが知らず知らずの内に納めているものもたくさんあります。

 そんな私たちの生活に密着している税ですが、例えば毎月もらう給与明細を見れば総支給額から色々と引かれ手取額はほんのわずか、これは国が多く取りすぎているのではないか、とつい疑ってしまいがちです。

 そこで給与所得などから引かれる所得税については累進課税といった方法を採用しており、所得が増えるに従い税率も引き上げられるようになっています。ですから所得が高くなるにつれ、納める所得税の所得に対する割合が増えていき、結果、所得間格差の溝を埋めていくことになります。


---日本の税金は高い?安い?---


 そしてこの所得税率を他の先進国と比べてみますと、低・中所得者においては他国よりも低い税率が適用されており、高所得者においては若干高くなっています。つまり先進国の間で見れば中流階級の人にとっては住みやすい国ですが、高所得者など富裕層にとっては高い税金が課せられる住みにくい国といえるでしょう。

 また消費税は税率が一定のため、所得水準に関係なく公平に負担する税金であるといえます。これは他の先進国と比べ非常に低い税率が設定されておりますが、最近この消費税率を見直そうという動きが強まっており、近年中には10%前後に引き上げられることが予測されます。

 税率はその国の社会情勢に応じて変動していきます。企業の国際的競争力を高めるため、法人税率は1993年の52.4%から2007年には40.5%へと引き下げられており、今後さらなる引き下げが必要であると議論されています。逆に少子高齢化社会への対応策として、上で述べたように消費税率を引き上げ、福祉の充実にあてていこうとする動きも活発です。


---暮らしに潜む税---


 社会生活を営む上で否応無く取られてしまうため、税に対しつい受身になってしまいがちですが、それは様々な場所で生かされています。私たちの収めた税金はどこで、どのように利用されているのか、そういった先を考えてみることもまた納税者の義務なのかもしれません。



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